意識の隅で、なつかしい声が彼の名を呼んでいた。引用元：銀河英雄伝説８乱離編
違う、私は雑魚騎士ではない。シキコーザだ。
私の名前はシキコーザ。５歳である。姓はまだ無い。
倒立した牛頭神オリジナル設定。名前は「エルヴァーズ１」のキャラクターから採りました。この作品の中では醜い、とはありますが牛頭でも倒立しているのでもありません。の導きによって、このユルゲンシュミットに転生したのだ。
エーレンフェストの中級貴族としての輝かしい第一歩を踏み出すべく、洗礼式を迎えるまで、あと１年間。
あと１年でダールドルフ子爵家の家人に数えられ、その偉大なる後継者としての第一歩を踏み出すのだ。
…………。…………。…………。何かが私の記憶を刺激している。
…………。…………。…………。思い出せない。
…………。…………。…………。思い出せない。
…………。…………。…………。思い出せない。
まあ、いい。思い出せないということは重要なことではないのだろう。
とりあえずスキップする。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
５歳男子の体は、アイドリング中はスキップをするようにできているのだ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ところで隣に母グローリエがいる。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
グローリエ「…………。…………。…………。」
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
母よ。何をそんなに沈痛な顔をしているのだ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
グローリエ「…………。…………。…………。」
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
母よ。何をそんなに沈痛な顔をしているのだ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
グローリエ「…………。…………。…………。」
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
母よ。何をそんなに沈痛な顔をしているのだ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
グローリエ「…………。…………。…………。」
ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ、ルンタッ。
ルンタッ、ピタッ。
５歳男子は電池切れになると停止する。私の動きは止まった。
しかし疲れたなどと後ろ向きのことを考えることは無い。
私は寝た。
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※牛頭の善神バセットは土の女神の眷属で、武骨な大剣を持っていましたが、命の神の眷属となった時に剣を手放して倒立するようになりました。土の女神の眷属であった頃は、平民と耕作を守護する神でしたが、命の神の眷属になってからは、魔力を捧げられても愚痴と不平を返すだけの神になりました。
※本作ではシキコーザは夏生まれで、現在は秋です。よって、洗礼式まで１年と２季余りです。