他の誰も感知しえなかったようだが、私には分かった。
全世界を揺るがす＜凶星＞の女王、エグランティーヌが降誕するのだ。
彼女の誕生によって１８年間に及ぶ政変が遂に始まる。
王族が相撃ち、他の全ての正当な王候補が死に絶える中、一度はその貴い純血の身を北方へと流離させる。
しかし僭王トラオクヴァールの統治が始まると、十代前半の幼さながらその美貌で僭王の王子たちを翻弄し、成人と共に王族の身分に戻る。
そして僭王の治世の終わりを告げる＜闇の国境門＞の変を制して、唯一人の正当な王候補として王位に推されるのだ。
その治世においては、数世代にわたって失われていた王書の回復や、礎の再発見など、ユルゲンシュミットを蘇生させる事件が連なる。
その即位に至る闘争の酸鼻と、その治世中の事績と、評価の分かれる伝説の女王である。
静寂ノ時ハ終ワリヌ
錨ハ巻キ上ゲラレヨ！
世界ニ火ヲハナテ！
炎ノ時来タレ！引用元：ファイブスター物語Ⅵ
（※シキコーザの脳内伝説です。平民は登場しません。）